褥瘡予防マットレス及びカバー


     



じょく瘡予防用具の減圧原理は、複数のエアセルなどを膨張・収縮させて体を支持する面を変化させる動的なもの。より広い面で支えることにより体圧を分散する静的なもの、に分けられる。(体を支える面全体を傾け、体位自体を変化させる用具は体位交換器と呼ばれる)
前者は、ポンプによってセル内に送り込む空気圧を、セルの系列ごとにを変化させて、周期的に膨張・収縮をさせる構造のものが代表的である。後者の場合、減圧を行う構造、および素材は多岐に渡り、製品の幅は非常に広い。
 
じょく瘡予防用のマットレスの導入時期と、製品のタイプの選択には特に慎重である必要がある。なぜなら、じょく瘡予防用のマットレスの体圧分散効果は、寝返りなどのベッド上の動きに対する反力を吸収し、動きにくくしてしまうことになるからである。寝返り能力がある状態では、比較的薄いクッション材の製品、自力での寝返りができない状態になってからは、体圧分散効果の高いエアマットを選択することがふさわしい。具体的な製品の適合については利用者の状態の正確な把握が必要である。なお、じょく瘡が発生する原因は、圧力の継続以外にも、皮膚への摩擦、尿などによる濡れ、栄養状態などがあり、減圧対策以外にもこういった原因への対処を行っていく必要がある。