おむつ


     



 陰部に当て、尿及び便を処理するもの。
 材質から分類すると、紙おむつ類と布おむつ類に分かれる。紙おむつは使い捨て型、布おむつは再利用型である。紙おむつは形状で分類すると、フラット型、瓢箪型、一体型(オールインワン型)、パンツ型に分かれ、特殊なものとしてシーツ状の敷くおむつがある。布おむつにはフラット型、瓢箪型、おむつ一体型がある。収尿用として、パッドと共用する場合もある。
 
1.尿と便の両方をとる場合にはおむつを使用する(パッドは尿のみをとる)。
2.大きさは尿量に合わせて選択する。大きすぎるおむつは運動を妨げ、資源的に無駄づかいにもなる。
3.著しい肌荒れがある場合などで、肌に優しい素材しか使用できないときで、1回の尿量が150ml以下の場合は、布おむつが使える。
4.布おむつは再利用が可能だが、洗濯の手間が必要である。
5.尿量が多い(150ml以上)場合は紙おむつが良い。
6.紙おむつの種類を選ぶには、座位がとれるか、立ち上がりはできるか、鼠蹊部はやせているか、股関節は開くか、粘着テープの着脱はできるか等の要因を確認し、なるべく運動量の制限が少ない種類を選択すると良い。
7.紙おむつの吸収量の表示は、メーカーにより測定方法が異なるため、選択にあたっては実吸収量表示を目安とする。
 
 おむつは、使用する人の性差や身体状況、交換時の姿勢、自立使用・介助使用の差、着衣の状態、介護者の状況、使用環境等の要因を考慮して使い方を選択しなければならない。しかし、これらをすべて説明することは困難なので、ここでは代表的な例として、寝たきり(仰臥位)で全介助の場合を想定し、一体型紙おむつ(オールインワンタイプ)を使用する例を説明する。

1.新しいおむつを用意し、使用しているおむつを開く。
2.介助者の反対側に向けて側臥位にする。
3.使用後のおむつを外し、お尻を拭く。
4.新しいおむつの前後を確認し、ベッドの上に敷く。
5.おむつを身体の中心と上下位置に合わせる。
6.仰臥位にして、おむつの中心部はたるみをもたせたままにして、股の間から鼠蹊部に合わせておむつの両側を引き上げる。
7.両方の鼠蹊部にしわがないように整える。
8.下のテープは横に、上のテープは腰に合わせてやや下に粘着する。