先ゴム



     



 杖の先に取り付けるゴムなどの部品。
先ゴムには以下の種類がある。

【吸着型】
1.ゴムの中心が凹んでおり、内側と外周で段差を設けてある。床面に吸着して固定性を得るものではない。
2.大きさや適合パイプの太さによって種類が分かれる。杖や腋窩支持クラッチ(松葉杖)、交互ウォーカーなど広範囲に用いられる。

【吸着可橈(かとう)性型】
1.吸着式に加えてパイプとの固定部以下に首振りの機構を用いたもの。
2.首振りの機構を設けたものと、素材の柔軟性によって首振りができるようにしたものがある。

【イボ型】
1.ゴムの中心が丸く盛り上がっており、先端にイボを植えた形状からこのように呼ばれる。
2.イボがすり減ると滑りやすくなるのでメンテナンスに注意が必要。
3.足を斜めに広げた多脚杖、椅子付きステッキなどに用いられている。

【輪状型】
1.ゴムの中心が丸く盛り上がっており、同心円状に幾重にも輪状の盛り上がりがあるもの。
2.杖に用いられることはなく、ウォーカーやシャワーチェアーの脚の滑り止めに用いられる。
 
 吸着式のものは濡れたタイル面などでは吸い付いて離れなくなることがあるため、注意が必要。
 杖を斜めにつくことが多い場合には、可橈性先ゴムを選択することで床面との滑りを少なくすることができる(図1)。
 T字杖などで、杖に対する依存が高く、立ち上がり時の補助に用いる場合には、先ゴムの硬いものは滑りやすい。吸着可橈性型に交換、または、柔らかい素材で作られた可橈性に近い特性を持った吸着型に交換する。