電動車いす


     



 電動車いすは、下肢だけでなく上肢にも障害を持つ人を対象として開発されたもので、ジョイスティックレバーなどの操縦装置を使って、小さい力で、かつ簡単な動作で操縦できるように工夫されている。
走行機構で分類すると次のようになる。
1.後輪駆動タイプ
左右の後輪のそれぞれに走行用モーターが付いており、前輪二輪は自在輪(キャスター)になっているタイプ。操舵は左右の走行用モーターの回転方向及び出力を変えることによって行う。
2.パワーステアリングタイプ
前輪に操舵専用のモーターを使い、前輪の向きを変えることによって操舵するタイプ。
3.前輪駆動タイプ
左右前輪に走行用モーターを取り付けたタイプ。一般的にパワーステアリング機構も付いている。
 
1.駆動方式から選択する場合:小回りと操作性の良さで選択する場合は、後輪駆動方式を選択する。また、片流れの路面を走行することが多い場合は、直進性が良いパワーステアリング方式を選択する。ただし、最小回転半径は後輪駆動に比べ大きいことを知っておくこと。
2.日本製の電動車いすの座席については、座幅や座の奥行き、背もたれ高さなどは、一定の寸法で作られており、個々の身体寸法に合わせられる状況ではない。選択するときにサイズを確認して、実際に座って座り心地などを検討して決めることが最善策である。
3.どうしても座れないときは、姿勢変換機能付き車いすや外国製のモジュラー式を選択するか、座位保持具を別途製作して設置することになる。
 
1.コントロールボックスのジョイスティックレバーの位置を上肢の可動域内の適切な場所にセットする。電動車いすの操作では、このセッティング位置が最も重要である。また、握力がない場合などには、手の平や手首を乗せられるような形状にすることでコントロールできる場合が多い。
2.本人にジョイスティックレバーを前後左右に動かしてもらい、うまくコントロールできるか確かめる。