吊り上げ式天井走行リフト


     



 走行用のレールを天井に固定し、電動または手動で昇降操作するリフト。走行は手動または電動で操作する。レールを固定するに当たって家屋の工事が必要になり、また室間移動する際にはレールを通すために間仕切りを工事しなければならないタイプと、間仕切りをくぐり抜けて通過できるタイプとがある。
 
【用途】
1.制約が少なく、種々の場面、場所で使用できる。
2.寝室におけるベッドから車いす、安楽いす、ポータブルトイレ、床(畳)などの間の移乗に利用できる。
3.浴室、トイレなどでも利用できるが、浴室での使用ができないタイプもあるので注意が必要。
4.玄関で使用することもできる。
5.レールを連続させられないときはポータブルタイプを利用する。
6.ポータブルタイプを利用すると、複数の場所で移乗するとき、家屋の工事が少なくてすむ。

【経費など】
1.比較的高価である。
2.住宅改造をともなうタイプは特に高価になる。
3.もっとも利便性が高いリフトである。
 
【昇降動作】
1.ベッドでの使い方
[上昇]
@ベッドに背上げ機構がついている場合は背を上げる。
A吊具を身体にかける。
B吊具をフックにかける。
C少しずつ上昇させる。ベッドに背上げ機構がついていないときは、介助者が腕で背中を起こすようにしながら上昇させる。
[下降]
Dベッドに降ろすときはベッドの背を上げておいたほうがよい。
Eお尻の位置を背上げ機構のジョイント部と一致する位置に降ろす。
Fお尻が最初に着地するように、足を軽く持ち上げるか、膝を曲げた状態で着地するようにする。
G降ろした後、膝を伸ばす。

2.車いすでの使い方
ベッドでの使い方と基本的に相違はない。
車いすへ着座するときは、腰が深くなるように降ろす。このテクニックには「吊り上げ式床走行リフト」と同様なものがある。

【移動】
 @手動タイプで移動するときは、吊り具の背中についている取っ手をつかんで、移動方向に引く。
 A電動タイプの場合は、同様に取っ手をつかんで揺れを防ぎながらスイッチを押して移動する。

【掛け替え】
メーカーごとに方法が異なるが、代表的な方法を示す(図1)。
 @レールの端に来たら、吊り上げていないほうのベルトを引き出し、他方のレールのフックにかける。
 Aクラッチを切り替える。
 B上昇させる。
 Cフリーの状態のベルトを外す。