機器用設置型リフト


     



 ベッドや自動車などに設置して使用するリフト。

【ベッド固定リフト】
 ベッド下にフレームを敷き込み、ベッドの重量を利用して安定を図るタイプ、独自のフレーム構造でベッドとは独立して設置するタイプがある。

【自動車固定リフト】
 乗用車ルーフに固定して、助手席に移乗させるリフト。ハンガー部が自動車車内まで入るようなアーム構造になっている。
 
【ベッド固定リフト】
1.基本的にはベッドと車いす・いす間などの移乗介助に使用する。
2.ポータブルトイレへの移乗も可能である。
3.ベッド下にベースを入れて使用するような機器、たとえばオーバーテーブルなどは使用できなくなる。

【自動車固定リフト】
1.ルーフの形態、ドアの形状によっては設置できないので、事前にメーカーに確認することが必要。
2.吊具の長さを短くする必要があるので、通常使用している吊具が使用できない場合がある。
3.首の固定ができること、自分で首を横に倒せることなどが条件になる。
4.首を倒せない場合には、吊り上げ姿勢を十分に寝かせて吊れることが条件になる。
 
【ベッド固定リフト】
1.ベッドでの使い方
[上昇]
@ベッドに背上げ機構が付いている場合は背を上げる。
A吊具を身体にかける。
Bリフトを近づけ、吊具をフックにかける。
C少しずつ上昇させるが、昇降動作などをしているときは、キャスターのロックは決してかけてはいけない。
Dベッドに背上げ機構が付いていないときは、介助者が腕で背中を起こすようにしながら上昇させる。
Eベッド下にリフトのベースが入らない場合は、ハイト・スペーサーを使うか、ベッドの足にキャスターを付ける。この際には、その他の日常生活でベッド高さが高くなり過ぎていないことを確認する。
[下降]
Fベッドに降ろすときはベッドの背を上げておいたほうがよい。
Gお尻の位置を背上げ機構のジョイント部と一致する位置に降ろす。
Hお尻が最初に着地するように、足を軽く持ち上げるか、膝を曲げた状態で着地するようにする。
I降ろした後、膝を伸ばす。
2.車いすでの使い方
[上昇]
@吊具を身体にかける。
Aリフトのベースを広げ、近づける。
B以下はベッド上での使い方と変わりがない。
[下降]
C車いすへ着座するときは、腰が深くなるように降ろす。このテクニックには以下のような方法がある。
  ・取っ手を上に引きながら着座させる(図1)。
  ・車いすをキャスター上げしながら着座させる(図2)。
  ・膝を押しながら着座させる。

【自動車固定リフト】
1.ルーフに固定されているリフトを引き出す。
2.吊具を着け、フックにかける。
3.ポンピングして吊り上げる。
4.自動車の中に身体を押し込み、着座させる。ドア開口高さが制限されているので、吊具を短くして吊る。この結果、座高が高いと自動車車内に入るときに首を曲げる必要がある。