住宅改修情報

後期高齢者で一人暮らし。歩行の安定を中心に支援した例

基本情報
年 齢 90歳 同居家族構成 一人暮らし
性 別 女性 主介護者 長男(ただし別居している)
疾患名 左大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術施工) 家屋の所有形態 持ち家
障害部位 左下肢筋力低下あり(筋力の左右差あり) 家屋の建築形態 一戸建て
要介護度 要介護1 周辺環境 都市部であるが、比較的閑静な住宅街
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 自立 排 泄 トイレ使用にて自立
移 動 屋内は杖又は手すり使用にて自立 入 浴 長男来所時に入浴する
浴槽への出入りは介助を要す
移 乗 自立 介護サービスの
利用状況
改修前:宅配食事サービス
改修後:宅配食事サービス、家事援助ヘルパー
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点 骨折する以前は全て自立していたが、自宅で転倒した経緯があり、転倒の危険性をできるだけ少なくする住宅改修を行う方向性で検討する。
独居で、家族も同居の意思はあるものの、本人は家族に迷惑をかけたくないという気持ちが強い。
また第三者の介入も極力避けたい状況がある。
  • 家屋内の空間が広く、空間移動が多くなる危険性がある。
  • 2センチ程度の段差が多い。
  • 浴室の段差、浴槽内の深さがある。
  • 手術後間もないため、浴槽の跨ぎ越し動作は人工骨頭に負担をかける可能性がある。
家族・本人の要望
  • 在宅生活継続希望が強いが、第三者の介入もできるだけ避けたい。
住宅改修の目的
  • 家事援助ヘルパー利用と宅配食事サービスを利用しながら、安否確認が行える状況にする。
  • 自宅内で独りになる時間が多くなることから、本人の生活空間における危険性をできるだけ少なくするように住宅改修を行う。
  • 空間が広いため動線に手すりを設置する。また動線における段差についても少なくし、転倒を予防する。
  • トイレについては動作の安楽を目的とし、入浴は既存の状況では危険性が高いため、浴槽への出入りの方法を跨ぎ動作から腰掛け動作へ変更し、介助者のスペースを確保、脱衣所~洗い場の段差解消を目的とする。
住宅改修の場所と内容
  • 玄関フロアー:横手すりの設置、敷居の撤去。
  • 浴室:横・縦手すりの設置、内開き戸を折れ戸へ変更、洗い場の段差解消すのこの設置、移乗台の設置、浴槽台の設置。
  • トイレ:手すりの設置。
支援チームの構成 在宅介護支援センターPT、住宅改修専門業者
福祉用具
支援前 なし
支援後 浴室用滑り止めマット
改修後の評価
入浴は、長男来所時に入るが、見守り程度で可能となる。
また屋内移動については杖及び要所の手すり使用にて何とか自立している状態となる。
残された課題
今回の住宅改修内容について、失敗点が明らかになった。
ステンレス製の浴槽において、浴槽内のかさ上げ台をアルミ製で作成したことでいわゆる「電触」が発生し、アルミが溶け出してしまったため、今後同様の改修の場合は十分注意をしたい。