住宅改修は、障害の種類や程度を考慮しなければ効果が得られないばかりか、かえって利用しにくいものになることがあるため、利用者の障害特性と障害のある機能、程度を見極め、それに適した方法で対処することが必要です。ここでは、加齢による老化の場合の住宅改修の要点を以下に挙げますが、これ以外の疾患や障害については、「福祉用具プランナーテキスト 住宅改造」の第2章応用技術を参照してください。また、リハビリテーション関係者や医療関係者などに疾患や障害ごとの住宅改修のポイントについて詳しく聞いてみるのもいいでしょう。
加齢による身体機能の低下の場合の住宅改修の要点
  自立高齢者 歩行困難高齢者 要介助高齢者 全介助高齢者








自立歩行ができる
下肢機能の低下
上肢の筋力、手指の巧緻性はやや低下
杖などを使用した自立歩行ができる
外出時は介助が必要なこともある
下肢機能の低下
上肢の筋力、手指の巧緻性は低下
介助を受けながら、短距離の歩行ができる
車いすによる移動が中心
下肢機能の著しい低下
上肢の筋力、手指の巧緻性の著しい低下
自分の力だけでは、ベッドからの起き上がり等も困難





敷居等の段差の解消
アプローチ部分や玄関内部に手すりの取り付け
扱いやすいノブや取っ手、鍵の取り付け
敷居等の段差の解消(できれば段差が無いように)
アプローチ部分や玄関内部に手すりの取り付け
アプローチ部分に段差が無いように(昇降機の設置も考慮)
扱いやすいノブや取っ手、鍵の取り付け
敷居等の段差の解消(段差が無いように)
玄関内部に手すりの取り付け
アプローチ部分に段差が無いように(スロープや昇降機の設置)
玄関は、段差なく室内に入れるようにするか、室内用の車いすに乗り移れるようにする
車いすで通れる有効幅のある建具を用いる
扱いやすいノブや取っ手、鍵の取り付け
車いす使用による利用を前提とし、
敷居等の段差の解消(段差が無いように)
アプローチ部分に段差が無いように(スロープや昇降機の設置)
玄関は、段差なく室内に入れるようにするか、室内用の車いすに乗り移れるようにする







敷居等の段差の解消
手すりの取り付け
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
足下に影ができないように、足下灯などの設置
階段は利用可能(足先がひっかかりにくい、階段の段鼻の形状)
敷居等の段差の解消
手すりの取り付け
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
足下に影ができないように、足下灯などの設置
階段はなんとか利用可能(足先がひっかかりにくい、階段の段鼻の形状)
敷居等の段差の解消
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
入口や廊下幅は、車いすで通れる有効幅を確保する
階段は、使用できない(階段昇降機、住宅用エレベータの設置)
敷居等の段差の解消
入口や廊下幅は、車いすで通れる有効幅を確保する
階段は、使用できない(できれば、住宅用エレベータの設置)


転倒しないように、滑りにくい材質の床材の使用
安全のため、要所に手すりを取り付ける
転倒しないように、滑りにくい材質の床材の使用
転倒してもけがの少ないように、クッション性のある表面の柔らかい床材や壁材とする
同様の理由で、家具等の角に身体をぶつけてもけがが少ないように、角を保護する(丸味をもたせる)
体力の消耗を防ぐため、冷暖房設備の整備が望ましい
安全のため、要所に手すりを取り付ける
転倒しないように、滑りにくい材質の床材の使用
車いす使用を前提とした、表面の堅い材質の床材の使用
体力の消耗を防ぐため、冷暖房設備の整備が必要
転倒しないように、滑りにくい材質の床材の使用
車いす使用を前提とした、表面の堅い材質の床材の使用
体力の消耗を防ぐため、冷暖房設備の整備が必要




敷居等の段差の解消
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
手すりの取り付け
便座の高さを高くして、立ち上がりやすいようにする
敷居等の段差の解消
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
手すりの取り付け
便座の高さを高くして、立ち上がりやすいようにする
体調により、介助者が付くことがあり、そのためのスペース確保
敷居等の段差の解消
必要に応じて、手すりの取り付け
便座の高さを高くして、立ち上がりやすいように、あるいは便座昇降機等の利用
体調により、介助者が付くことがあり、そのためのスペース確保
敷居等の段差の解消
必要に応じて、手すりの取り付け
便座の高さを高くして、立ち上がりやすいように、あるいは便座昇降機等の利用
介助者のためのスペース確保


敷居や洗い場の段差の解消
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
手すりの取り付け
滑りにくい床仕上げ
浴槽の高さは350から400mm。深さは550mm程度
腰掛けられる台を置く
敷居や洗い場の段差の解消
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
手すりの取り付け
滑りにくい床仕上げ
浴槽の高さは350から400mm。深さは550mm程度
腰掛けられる台を置く
水栓、シャワー栓などは台に腰掛けたまま利用できるように
体調により、介助者が付くことがあり、広めのスペース確保
敷居や洗い場の段差の解消
扱いやすいノブや取っ手の取り付け
手すりの取り付け
滑りにくい床仕上げ
浴槽の高さは350から400mm。深さは550mm程度
腰掛けられる安定した椅子を置く
水栓、シャワー栓などは台に腰掛けたまま利用できるように
介助者が付くため、広めのスペース確保
浴槽に入るときは、入浴用の機器、リフト等の利用も考慮する
敷居や洗い場の段差の解消
手すりの取り付け
滑りにくい床仕上げ
浴槽の高さは350から400mm。深さは550mm程度
足が付くように、長さは最大1,350mm程度
必要に応じて、腰掛けられる安定した椅子を置く
水栓、シャワー栓などは台に腰掛けたまま利用できるように
介助者が付くため、広めのスペース確保
浴槽に入るときは、入浴用の機器、リフト等の利用も考慮する
公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具プランナーテキスト 住宅改造」より