下着(肌着(上衣))


     



 肌着は、季節に合わせて調整することが、健康を維持する上で大切なことである。
 さらに身体の動きが悪くなると、着脱のしやすさも大切な条件になる。
 しかし、肌に直接着るため、できれば着脱より着心地を優先したいものである。本人または介助者にとって着脱しやすいように、前開きで、留め具に面ファスナーまたはホックを使ったシャツがある。
 腕が通しやすいように、袖付けが大きめになっている。

袖 丈:袖なし、半袖、五分袖、七分袖、長袖
留め具:丸カット面ファスナー、角カット面ファスナー、樹脂ホック
素 材:綿スムス(メリヤス)、綿フライス(メリヤス)、薄手綿天竺、混紡メリヤス(綿70・ポリエステル30)、キルト(中綿ポリエステル)、シルク、和式の前打ち合わせ(五分袖)は綿フライスや綿ガーゼ、部分保温
開 き:前、肩、脇、袖下、及びそれぞれの組み合わせ
 
 肩肘関節の動きが悪い、関節が痛むなどの場合、前開きのものは楽に袖入れができる(図1、2)。
 袖付けが大きいこと、背幅にゆとりのあることが楽に袖通しできる共通条件である(図2)。
 人の手首から肘までの長さ分が、シャツの肩先から脇の下までの袖ぐりに十分あると着やすい。
 夏でもクーラーが体に合わない人は、袖なしまたは半袖の涼感のある素材が良い。
 ボディスーツは、シャツの股部が開くようになっており、おむつの人に便利である。ただし、かぶり式となる。
 ベッド上で体を動かせない場合は、前開き以外に肩、脇から袖下にかけて開きを設ける場合が多い。
 開きが多いと、それだけ留め具が体に当たるので良くない。必要な分だけ開きがあるものにする。 
 特に面ファスナーは、メリヤス肌着では糸にひっかかりやすく、不向きな場合が多い。
 軽い樹脂ホックは衣類を傷めることがない。
 面ファスナー付きシャツの洗濯には必ず留め具を閉じた後、ネットに入れて行う。
 関節などに痛みや冷えがある場合は、部分保温タイプが快適である。
 このほか、遠赤外線繊維、抗菌防臭加工を施したものなどがある。
施設の洗濯方法などで、高温乾燥を行う場合は、生地が激しく縮む場合があるので十分注意する。