エルボー・クラッチ



     



1本の脚と握り部のついた腕支えから成り、腕支えで体重を支えることができるよう工夫された杖。手指や手関節に負担をかけられない場合に用いる。
 
【握り】
 腕支えに対して握りの角度を調整できるものがある。これは、手関節角度が固定された角度で使用できない場合に用いる。ただし、調整式のものはその分重量が増す。

【脚部分の種類】
 1本の脚のものと多脚のものがある。
歩行補助としての安定性をより求める場合には多脚のものを使用する。ただし、多脚のものは重量が増す。
 
【脚部分の長さの調整】
 足先より15cmほど外側に杖先を置いて、肘を曲げた状態で前腕を腕支えの上に置き、杖を使用するほうの肩が軽く持ち上がる程度の長さとする(「ステッキ・T字杖」と同様・図1)。ただし、肩や肩甲骨の動きや関節の痛みなどの要素も重要となるために十分に注意する。
また、腕支えと脚部分が接続する部分についても調整が可能である。これは、杖をバランスよく安定してつける位置に調整する。

【平地歩行】
 杖は基本的には、健側につき患側への加重量を減らすことを目的とする。不安定な場合には3動作歩行を行い、安定している場合には2動作歩行する(「ステッキ・T字杖」と同様・図2)。
杖を持つ手との兼ね合いで患側につくことがあるが、健側につく場合と比べて安定性や免荷は悪くなる。

【階段の上り下り】
 階段の上りでは杖から健側下肢、患側下肢の順番で行う。
また、下りる場合には杖、患側、健側の順番で行う(「ステッキ・T字杖」と同様・図3)。