歩行器



     



 四脚のフレーム構造の歩行補助具。フレームの下端接地面に先端チップが付き、ハンドグリップ以外に支持部のない歩行補助具である。左右のフレームを交互に動かせるタイプと、フレームが固定されているタイプとがある。
 
【用途】
 屋内用である。
 目的により起立訓練用・姿勢の改善・歩行訓練用・疼痛時の免荷・歩行の安定・歩行の自立があり、使い分けが必要である。
 段差には不向きである。

【大きさ】
 身体機能及び体格と居住環境によりベースを選ぶ。
 ベースの広いほうが安定しているが、歩行にあたりスペースを必要とする。身体機能と使用環境を確認する。

【ハンドグリップ】
 手の変形、疼痛、麻痺の有無等を考慮して選ぶ。
 
【持ち上げ型歩行器】
1.歩行器を両手で持ち上げ、前方につく。フレームに両手で体を支えてから、両下肢を交互に振り出す。
2.歩行器・右足(左足)・左足(右足)の3回の動作で歩行する。
3.両手で持ち上げるときに後方にバランスを崩しやすい。適応する身体機能に関して十分な評価が必要である。
4.前方の脚の長さを高く調節すると、体幹が伸びやすくなることがある。
5.ハンドグリップは肘を30度屈曲した高さに調節する。
6.折りたたみのジョイント部分のネジがゆるむことがある。時々チェックする。

【交互型歩行器】
1.左右のフレームが個々に動かせる。歩行時には左右交互に動かして歩行する。
2.右側歩行器・左足・左側歩行器・右足の4回の動作、もしくは右側歩行器と左足・左側歩行器と右足の2回の動作で歩行する。
3.この歩行動作は固定型に比べて難しい。
4.折りたたみが可能である。
5.固定型に比べて狭いところが通れる。
6.握り手を、肘を30度屈曲した高さに調節する。円背の人に対してはそれよりも高めに調節する。
7.折りたたみのジョイント及び交互に稼動するジョイント部分のネジがゆるむことがある。チェックする必要がある。