体位変換用クッション(変換後の体位を安定させるための保持具)


     



 体位交換後の体位を保持するために用いるクッション。原則としてベッドや畳の上など、使用する場所が限定されないもの。

【自由成形型】
綿やポリステロールのビーズが入った枕状のものが主で、当てる身体部位に合わせて形状を整えて使用する。また、使用する身体部位によってドーナツ型、ブーメラン型などの形状や、大きさにバリエーションがあり、また表面素材もコットンや羊毛などさまざまである。

【形状固定型】
三角や四角の錐形をしたウレタンの固まりのものや、エアで膨らました浮き袋状のものがある。本体の形状は変化しないため体位は崩れにくい。
 
1.使用の目的が、変換のための負担軽減なのか、その後の体位の安定なのかを明確にしておく。
2.使用者本人の身体状況から望ましい体位を検討し、その体位に適した用具を選ぶ。
3.使用者本人の関節可動域や痛み、圧迫の禁忌などを確認し、無理な体位は避けるようにする。
4.体位を変換するための補助用具を的確に使用するためには、介護者の理解力や身体能力等を十分に把握する必要がある。
5.自由成形型は常に同じ形状を作ることが難しいため、使用者本人の体位はそのつど微妙に異なる。したがって、厳密な体位を保持したい場合には不向きである。
6.衣類や寝具が汚れやすい人の場合には、洗濯や清掃などがしやすい素材のものを選ぶ。
 
【自由成形型】
介護者が体位変換させた後に背部や腰部、下腿部などに当てて肢位を安定させる。当てる部位の凹凸や関節の角度などや、維持したい肢位に合わせてそのつど形状を整えて使用する。ただし、寝返り等の使用者の身体動作によってクッションも形状が変わるため、目的の肢位は維持しにくく、また常時同じ形状に整えて使用するのも不可能となる。

【形状固定型】
介護者が体位変換させた後に背部や腰部、下腿部などに当てて肢位を安定させる。本体の形状は常に一定なので肢位は崩れにくいが、使用者の身体状況に合わせた微調整ができないため適応範囲は狭い。