据置型リフト


     



櫓を組んで走行用のレールを固定し、電動で昇降操作するリフト。走行は手動で操作する。アーチ型のレールあるいは部屋の四隅に櫓の柱を立ててレールを支える。家屋の工事が不要で、設置に当たっても組立だけなので容易に設置できる。

【櫓の種類】
1.アーチ型線移動
櫓をアーチ型に組んで1本のレール上を移動する。
昇降動作はこのレールの下でしか行えないので、移乗位置の真上にレールを固定する(図1)。
2.面移動
 4本の柱を立て、2本のレールに本体が移動できるレールを吊り下げたもので、本体はこの範囲内ならどこでも移動できる。昇降動作はこの範囲内で行えるので、移乗位置を厳密に固定する必要はない(図2)。

【本体の種類】
1.固定
 レールに固定されており、そのレール内のみで使用する。
2.ポータブル
 本体を持ち運ぶことができ、移乗場面ごとにレールを設置しておけば、レールが連続してつながっておけば、レールが連続してつながっていなくとも1台のリフトで複数場面で使用できる。

【動力】
 すべての機種が電動である。バッテリー駆動あるいは交流100Vを直流に変換している。走行はすべて手動である。
 
1.家屋の工事がなく設置できる。
2.寝室におけるベッドから車いす、安楽いす、ポータブルトイレ、床(畳)などの間の移乗に利用できる。
3.浴室、トイレなどでも利用できるが、浴室での使用ができないタイプもあるので注意が必要。
4.玄関で使用することもできる。
5.複数の場所で利用したいときはポータブルタイプを利用する。
6.制約が少なく、種々の場面、場所で使用できる。
 
【昇降動作】
1.ベッドでの使い方
[上昇]
@ベッドに背上げ機構がついている場合は背を上げる。
A吊具を身体にかける。
B吊具をフックにかける。
C少しずつ上昇させる。ベッドに背上げ機構がついていないときは、介助者が腕で背中を起こすようにしながら上昇させる。
[下降]
Dベッドに降ろすときはベッドの背を上げておいたほうがよい。
Eお尻の位置を背上げ機構のジョイント部と一致する位置に降ろす。
Fお尻が最初に着地するように、足を軽く持ち上げるか、膝を曲げた状態で着地するようにする。
G降ろした後、膝を伸ばす。
2.車いすでの使い方
ベッドでの使い方と基本的に相違はない。
車いすへ着座するときは、腰が深くなるように降ろす。このテクニックには「吊り上げ式床走行リフト」と同様なものがある。

【移動】
 @手動タイプで移動するときは、吊り具の背中についている取っ手をつかんで、移動方向に引く。
 A電動タイプの場合は、同様に取っ手をつかんで揺れを防ぎながらスイッチを押して移動する。

【掛け替え】
メーカーごとに方法が異なるが、代表的な方法を示す(図1)。
 @レールの端に来たら、吊り上げていないほうのベルトを引き出し、他方のレールのフックにかける。
 Aクラッチを切り替える。
 B上昇させる。
 Cフリーの状態のベルトを外す。