浴槽から出られなくなったら

浴槽から出られなくなっても福祉用具を利用すれば、自宅の浴室で入浴できます。

1.脱 衣
  一般的にこのレベルの方はベッドで脱衣します。
 
2.移 動
 

 脱衣場までの移動は車いすやシャワーキャリーを使います。
 寝室から浴室までリフトが設置されていればそのまま吊り上げて移動することも可能です。
 車いすやシャワーキャリーへの移乗方法を考えておく必要があります。すでに裸になっていますので、移乗介助方法が普段とは変わります。
 ベッドにリフトがあると容易に移乗ができます。

 
3.脱衣室・洗い場までの移動
 

 部屋の出入り口や通路が狭く、車いすでは通過できない場合もあります。きちんと確認しましょう。
 車いすで通過できない場合にはシャワーキャリーなら通過できるということもあります。その場合、4輸がキャスターですと小回りができますが、小さな段差も超えにくくなりますから、段差の解消なども含めて検討してください。
 洗い場への段差はリフトで超えることができる場合もあります

 
4.洗 体
 

 一般的にシャワーチェアやシャワーキャリーで行いますが、お尻の洗い方を確認しておきましょう。
 特に体幹バランスが悪くなってきますと、姿勢を保持するために、シートがゆるめのシャワーチェアを利用する場合があります。身体全体を包み込むようにしますので、体幹は安定します。
 しかし、身体は洗いにくくなり、特にお尻は手が入りにくくなります。

 
5.浴槽への出入り
   リフトを使うと楽になります。
 リフトには、住宅改修を必要としないタイプがありますので、一度検討することをお勧めします。このタイプのリフトは介護保険も利用できます。
 
   

 図に示したリフトは脱衣室までハンガーが伸びますので、洗い場と脱衣室との間に段差があっても問題になりません。
 洗い場と浴槽の間もリフトで行き来できますので、介助者は持ち上げる必要がなくなります。
 吊具に関しては、身体機能に応じ、介助方法に応じて種々の機種があります。どこで脱衣し、どのように洗い場まで移動し、どのように洗体し、浴槽内での浮力の対応がどうなるかを検討しながら吊具の種類を決めます。一度試してから購入することをお勧めします。

 

 浴槽内で座面が昇降するブースターも利用できる場合があります。選択の視点は、浴槽への脱着が簡単であること、シャワーチェアから横移動で座るときに移乗しやすいことなどです。
 あくまでも浴槽内で昇降するだけですから、この座面までの移動は自分でできるか、介助者が容易に介助できることが必要です。

 


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