シート後座高

@仕様の意味
・シート前座高:床からシートサイドパイプ上端とフロントパイプ後端の交点までの高さのこと。
・シート後座高:床から寸法基準点までの高さのこと。
・シート角度:水平面に対するシートパイプの角度のこと。日本では、シート前座高と後座高の差で代用されることが多い。
A商品を選ぶ際に影響する事項
・環境(曲がり易さ、段差越え(キャスターアップのし易さ))
・移乗性 ・姿勢保持(作業性)
B選択の基準と留意点
・標準型車いすでは、前後差は2〜4cm(2〜4度)。
・姿勢保持、環境、移乗を考慮して選択。
・本人が操らない(介助用車いす)場合、移乗条件から前座高を導く。
・立位移乗時には立ち上がりやすい高さを選択。高い方が立ち上がりやすい。
・横移乗の場合には、移乗先と前座高をあわせる。
・前座高を決めた後、姿勢保持の条件よりシート角度(後座高)を決める。
C備考(特殊な条件等)
・シート前座高:移乗のしやすさを目的とした場合は、移乗対象物の高さに設定。
・前後差が小さいと、前にずれやすく仙骨座りになり易い。
・前後差が大きいと、腹部が圧迫され、苦しく姿勢が崩れる。
・前後差が大きいと立位移乗では、臀部が前方へずらしにくくなる。
・座の高さは、テーブル、シンク、洗面台などへのアプローチに影響をおよぼす。
・クッションを用いる場合、クッションの厚みと弾力性が、前座高、後座高、前後差に影響。
・調整用クッションを使うことも有効。
・前後差(角度)を大きくしすぎると臀部の痛み、褥瘡の誘因になる。
・姿勢保持クッション使用時は、前後差を大きく取る必要はない。
・股関節の関節拘縮や疼痛ががある場合には、強い角度はつけず、ティルト・リクライニング機構を考える。