リフトは利用者の体を包んで支える吊り具を吊るものであり、実際に人体に接するのは、この吊り具の部分である。吊り具のタイプは、両足の腿部分を別々に包む脚分離型(図1)、体全体をつつみ込むシート型(図2)、脇の下と、腿の下にかかる二つのバンドからなるセパレート型(図3)などのタイプがある。脚分離型とシート型は頭の部分まで回り込んで支持するハイバック型と、そうでないローバック型に分かれる。
吊具は小さいと吊ったときに体を圧迫し、大きすぎると落下の危険があり、体格や身体状況に合ったものを選択しなければならない。リフトのハンガーの幅に合ったものであることも留意する。また、ハンガーへの掛けやすさ、敷き込む際の滑り具合といった要素は介助者にとって大事な要素である。
吊具はタイプによって、得意・不得意がある。シート型の吊具は寝た状態からでないと装着が難しく、トイレでも使えないが安定した姿勢で吊れる。セパレート型はトイレ、入浴に適しているが、障害の適応範囲が狭いといった具合である。一つのものを使うのではなく、使用状況に合わせて使い分けることが望ましい。
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