体位変換を行う用具には、動力により寝ている面全体を周期的に傾けるものと、人力で行う寝返り介助を補助する用具がある。前者の用具としては、エアマットの左右の空気圧を周期的に切り替えるものが挙げられる。後者の補助用具には、寝た状態の背中の下に棒状(図1)、板条、あるいは楔状(図2)のものを差し込み、介助者がてこの原理にってより少ない力で体位をを変えるもの、また、あらかじめ摩擦の少ないシートをシーツや体の下に敷きこんでおいてシーツやシートを引くことにり体位をを変えるものなどがある。
寝返り介助は、一定の頻度で深夜でも行う必要があり、介助者にとって最も大きな負担となる介護である。人力を補助する用具を使用した場合、介助者の力の不足はカバーするものの、頻度の問題は解決しない。しかし、一方では寝ている面を交互に傾けるエアマットなどに対し本人が不快感を訴えることもある。用具の選択に当たっては、介助者の人力で行い得る介護の範囲と、本人の状態を総合的に判断して決定することが望まれる。
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