壁面へ固定する手すりは程度の差こそあれ工事を伴うものであり、これを要しない手すりとしては、平らな台座の上に手すり部分が平行棒型に配置されている製品(図1)、天井と床の間に突っ張り棒として固定する垂直なバーなどがある。
トイレ内に設置しネジ止め等の工事を行わない手すりとしては、便器を挟みこんで固定するもの(図2)、左右の壁に突っ張り棒を伸ばして固定するものなどがある。また、ポータブルトイレと共に使用するもの(図3)は、手すりのないスツール型のポータブルトイレに使用される。いずれも、立ち上がりや座り込みの動作を助けると共に、体幹の安定をはかるために用いるもので、左右の手すりと全体を固定する構造からなっている。
平行棒タイプのものは、底面の面積を置くだけのスペースが床の上に必要である。垂直なバーは、天井の構造・材料によっては不安定となる場合もあり、設置にあたって確認が必要である。
便器を挟みこんで固定する手すりは、便器を床に固定しているボルトに荷重がかかることになるので、便器自体の固定がしっかりしているかどうかを確認した後に導入することが必要である。左右の壁に突っ張り棒を伸ばして固定するものも壁面の強度の確認が不可欠である。
|