購入1.腰掛便座
1.和式便器のうえに置いて腰掛式に変換するもの 2.洋式便器のうえに置いて高さを補うもの |
(図1) (図2) |
和式便器の上に置いて腰掛式に変換するものとは、しゃがむ姿勢を要する和式のトイレの便器自体は取り替えず、便器の上にかぶせる形で洋式便器と同じ形の便座を置くことにより、腰掛ける姿勢で用を足せるようにする製品である。トイレが、便器の前部の床と後部の床に段差のある大小兼用便器の場合もこれに対応する製品(図1)がある
洋式便器の上に置いて高さを補うものは補高便座(図2)といい、様式便器の便座面を高くすることにより、便座からの立ちあがりと便座への座り込みを楽にし、これによって自力によるトイレの使用を促進したり、介助力を軽減する目的で使用する。製品によっては補高実寸を調節できるようになっている。
和式便器を住宅改修によって洋式便器に変えることができない事情がある場合、それを補う便座を使用することが解決策となる。補高便座は利用者の身体機能に応じて高さに留意し、使用している便器に確実に固定できるものであることを確認することが必要である。なお、便座を交換した場合、既存の温水洗浄便座などの機能が使えなくなる例が多い。
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3.電動またはスプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有しているもの
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(図3) (図4) |
(図5) (図6) |
昇降機能付き便座(図3)は便座からの立ちあがりと便座への座り込みに必要な介助力の軽減、自力での車いすなどへの移乗をサポートすることを目的とした用具である。モーター、スプリング、エアクッションの膨張など、利用者の立ちあがりをサポートする動力機構を内蔵している。
便座が上方に持ちあがるだけでなく、(前方に)傾斜する機能を組み合わせ、より立ちあがり易い姿勢になるよう工夫された製品もある。利用者の体重により補助力を調整できるものも存在する。
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4.便座、バケツ等からなり、移動可能である便器
バケツ等からなり、移動可能である便器はポータブルトイレ称される。居室から移動せずに用を足すために使用するもので、便座、バケツ、全体を構成するフレームという点ではどんな製品でも一致するが、外見は金属性の脚がフレームとなっているコモード型(図4)、プラスチック製のスツール形(図5)、便座の蓋の上に椅子座面をかぶせ、使用しないときは家具に見えるタイプ(図6)のものなどがある。付加機能として、暖房便座、洗浄器、消臭器などを備えた製品もある。
ポータブルトイレは、安定した姿勢がとれる形状であり、座り込みや立ち上がりが楽にできることが重要である。アームレストが付いたもの(介助による移乗の場合、着脱のできるものが便利)、あるいは手すりとの併用が立ち上がりや座り込みの負担や介助力を軽減する。立ち上がりのときに足を手前にひく空間(けこみ)が十分にあるかどうかも重要である。
家具調の外見を持ったものは、違和感がないことから居間で使用されることもあり、重量もあることから安定している。このタイプのものはバケツを取り出す際に、座面の下の引き出しを開ける構造になっているものが多く、引き出す方向に一定のスペースを必要とする。
ポータブルトイレは、寝室でベッドの近くに置いて使われる例が多いが、ベッドから移乗して使用する場合は、座面の床からの高さがベッドのマットレスの上面に近い方が楽に移乗できる。
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