老人ホーム入居が間もない方の住宅改造
基本情報 | |||
年 齢 | 73歳 | 同居家族構成 | 妻と同居。 家族は長男夫婦と孫が上階に居住 |
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性 別 | 男性 | 主介護者 | 妻 |
疾患名 | 多発性脳梗塞糖尿病痴呆 | 家屋の所有形態 | 持ち家 |
障害部位 | 軽度右片麻痺 | 家屋の建築形態 | 一戸建て(3階建) |
要介護度 | 要介護2 | 周辺環境 | 都市部の閑静な住宅街 |
日常生活の状況(改修前の状況) | |||
起 居 | 自立 | 排 泄 | 紙おむつ使用、失禁も時折あり 妻の声かけでトイレ使用もある |
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移 動 | 屋内は壁や家具を利用して伝い歩きで自立 屋外は車いす(屋外では本人の意欲がなく歩行しないため) |
入 浴 | 浴室が1階のため、移動に時間がかかる また誘導に対して拒否することがあるため、介助量が多くなる |
移 乗 | 自立 | 介護サービスの 利用状況 |
改修前:なし 改修後:なし |
実際の改修箇所 |
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改修前の状況 |
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改修後の状況 |
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住宅改修の概略 | |
問題点 | 介助を要する原因の中心が痴呆による意欲低下や拒否にあり、妻に対しては、暴力行為も見られる。 1階がガレージと物置で、居室として使用できる環境ではない。 浴室が1階にあるため、入浴自体の介助量+浴室までのアプローチが長く、さらに階段昇降を行う必要がある。 経済的負担は可能な限り少なくする必要がある。 |
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家族・本人の要望 | 経済的負担を少なくし、なおかつ老人ホーム入居も半年程度先に予定されているため、大改修は望まない。 階段昇降や入浴の介助の困難性と危険性についての改修プランと入浴方法の変更を検討する。 |
住宅改修の目的 | 階段昇降時の危険性を少なくすることや、浴室内の出入りを行いやすくすることを目的とする。 しかし、廊下幅が狭く、手すりを設置するとさらに幅が狭くなるため、階段以外は狭い廊下の壁を歩行移動のバランスをとるために利用する。 浴室への出入りは、若干の跨ぎ越し動作があるため、動作の安定を図ることとする。 また、浴槽の利用については、介助量の増大を招くため、あえて使用しない方法とした。 |
住宅改修の場所と内容 |
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支援チームの構成 | PT、住宅改修専門業者 |
福祉用具 | |
支援前 | なし |
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支援後 | シャワーチェア |
改修後の評価 |
階段昇降の際、妻が後方から押し上げたりする介助がほぼなくなったため、介助量の軽減は図れている。 また、本人がしっかりと手すりを把持するため、転落の危険性が減少している。 |
残された課題 |
今回の住宅改修は、老人ホーム入所が決まっていて、半年程度で入所を予想した状況での住宅改修であったため、経費をかけずに行うことを前提とした。このような場合、理想的な提案も選択肢として検討しても良かったのではないかと考えている。 |