屋内歩行自立レベルの難病で,移動経路全般に手すりを設置した例
基本情報 | |||
年 齢 | 47歳 | 同居家族構成 | 父親 |
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性 別 | 男性 | 主介護者 | 父 |
疾患名 | 脊髄小脳変性症 | 家屋の所有形態 | 持ち家 |
障害部位 | 四肢失調があるが、筋力低下は少ない | 家屋の建築形態 | 一戸建て |
要介護度 | 要介護1 | 周辺環境 | 都市部の商店街 |
日常生活の状況(改修前の状況) | |||
起 居 | 自立。立ち上りは自立しているが、努力次第で壁や柱、家具などを利用し立ち上がる | 排 泄 | トイレ使用にて自立 |
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移 動 | 屋内は壁と4点杖使用にて自立、屋外は電動3輪を使用 近距離(5メートル程度)であれば4点杖使用にて何とか歩行可 |
入 浴 | 自立しているが、浴槽を跨ぐ動作が非常に困難になっている |
移 乗 | 自立 | 介護サービスの 利用状況 |
改修前:ヘルパー 改修後:ヘルパー |
実際の改修箇所 |
図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。 |
改修前の状況 |
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改修後の状況 |
住宅改修の概略 | |
問題点 | 運動失調、反張膝、
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家族・本人の要望 | 現状おおよその生活が自立しているため、廃用・過用のための住環境の整備と、年齢が若いため、リハビリテーション(機能訓練中心)のサービスの継続的参加。 |
住宅改修の目的 | 筋力低下も少なく、歩行も屋内であれば何とか可能であることから、下肢筋力を過剰に利用して立位・歩行を行っている。 長期間そのような歩行を行った結果、反張膝となった状況から、両上肢による補助で屋内を歩行する方法に変更することとした。 |
住宅改修の場所と内容 | 玄関(廊下含)、トイレ、廊下、浴室、台所など移動する場所すべてに横手すり、縦手すりを設置。(階段は利用していないが、廊下での歩行訓練のために本人の希望にて設置した。) |
支援チームの構成 | ケアマネージャー、PT、施工業者 |
福祉用具 | |
支援前 | 電動3輪車・4点杖 |
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支援後 | 電動3輪車・4点杖 |
改修後の評価 |
屋内歩行は、手すり使用にて安定性が向上した。また通所事業所内において両膝を屈曲して歩行する方法を自宅内でも継続してもらうように指導し、反張膝の助長を防止するようにしている。 |
残された課題 |
今回の住宅改修は、既に新築に建て変わってからの改修であった。 廊下幅も狭く、エレベーター内も狭く、生活空間が2階であるために今後疾患が進行した場合に外出が困難になることが予想される。 現在は本人、家族共にその認識が少ないため、今後車いすレベルになった場合に現在の住環境の限界が出てくると予想される。 この住宅改修の場合は、施工業者に十分なノウハウがなかったことが問題としてあげられる。 |