住宅改修情報

室内要所に手すりをとりつけ、安全な歩行が可能になった例

基本情報
年 齢 82歳 同居家族構成 一人暮らし(長男夫婦隣居)
性 別 女性 主介護者 長男夫婦
疾患名 骨盤骨折、右視力障害 家屋の所有形態 持ち家
障害部位 下肢の筋力低下、視力障害 家屋の建築形態 一戸建て
要介護度 要介護3 周辺環境 都市部の住宅地
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 ほぼ自立(支持必要) 排 泄 洋式トイレにて自立(間に合わないことあり)
移 動 伝い歩きだが不安定 入 浴 清拭介助
移 乗 自立 介護サービスの
利用状況
改修前:訪問看護、訪問介護
改修後:訪問看護(入浴動作が自立した後終了)、訪問介護、通所リハビリ
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点
  • 室内歩行が不安定で、転倒している。
  • 浴室環境に問題があり、入浴が行われていない。
  • トイレは、移動、立ち上がり動作に問題がある。
  • 玄関にも段差があるため、出入りが困難で外出していない。
家族・本人の要望
  • 浴室、トイレ、玄関に手すりをつけたい。
住宅改修の目的
  • 独居の高齢者で、視力障害があることから家庭内での転倒事故等を防ぐように安全な環境を整備する。
  • あわせて入浴、トイレ動作の自立、外出時の介助軽減をはかる。
住宅改修場所の現状
  • トイレ:立ちしゃがみのときに支持するものがない。
  • 浴室:入り口に段差がある。浴室内につかまるところがない。
  • 玄関:上がり框に360ミリの段差がある。入り口引き違い戸部分にも段差がある。
  • 動線:居室からトイレ、浴室、玄関に移動する際、支持するところがない。
住宅改修の場所と内容
  • トイレ:手すり取り付け。
  • 浴室:手すり取り付け。
    バスボードを導入して腰かけて入浴する方法に変更。
    洗体はシャワーチェアを利用。
  • 玄関:土間部分のかさ上げと、踏み台を設置し段差を緩和する。手すり取り付け。
  • 動線:居室からトイレ、浴室、玄関までの経路に手すりを取り付ける。
支援チームの構成 ケアマネジヤー、PT・OT、工務店
福祉用具
支援前 なし
支援後 レンタル:特殊ベッド(3モーター)、車いす(介助型)、4点杖(導入したが、歩行能力の向上、手すりの取り付けによって不要となった。)
購入:ポータブルトイレを導入したが、洋式トイレを利用できるようになったためほとんど便用していない。シャワーチェア、バスボード
改修後の評価
  • 本人:使いやすくなった。自宅に来る友人たちからも手すりの存在が好評である。
  • PT:住宅改修により、安全性が向上し、自立度が増した。住宅改修、福祉用具の導入とあわせて訪間看護サービスにより、入浴方法の援助が行われたため、入浴方法は習得され、定着した。
残された課題
玄関から門までの石畳部分の改修が今後の課題となろう。