住宅改修情報

車いす利用者独居例、反省点の残った事例

基本情報
年 齢 64歳 同居家族構成 一人暮らし
性 別 女性 主介護者
疾患名 脳出血による右半身麻痺、
両変形性股関節症
家屋の所有形態 持ち家
障害部位 右上肢、体幹、両下肢機能障害 家屋の建築形態 集合住宅(エレベーターあり)
要介護度 要介護2
身体障害者手帳1級
周辺環境 都市部の住宅地
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 自立(ベッド柵利用) 排 泄 自立
移 動 室内の大部分は車いす自立(後輪駆動の車いすを片手片足こぎ)
トイレ、浴室内は伝い歩き(要手すり)
入 浴 介助
移 乗 自立(要支持) 介護サービスの
利用状況
改修前:なし(入院中のため)
改修後:訪問介護、通所介護
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点 身体状況から車いすを主たる移動手段として生活できる環境が必要だが、整備されていない。
家族・本人の要望 車いすで生活できるようにしたい。台所も車いすで使用できるようなものに変更したい。
住宅改修の目的 単身であるので、日常生活を自立して行えるよう居室、玄関、トイレ、浴室の環境整備をする。
住宅改修場所の現状
  • 寝室:和室であるため車いす操作困難。
  • トイレ:便器の高さが低く、手すりがないため使用できない。
  • 浴室:浴槽が据え置き式であり、浴槽をまたぐ動作は困難である。
  • 玄関:段差があり車いすで通過困難。
  • トイレ・浴室・洗面の入り口:開き戸で段差があるため通過困難である。
  • 台所:一般の台所であり、車いすで利用するには流し台の高さが高い、足が入らないなどの問題がある。
住宅改修の場所と内容
  • 寝室:和室床をフローリングに変更。
  • トイレ:手すりの取り付け。
  • 浴室:身体機能から浴槽を変更しても入浴は無理と判断し、シャワースペースを確保するために浴槽を撤去。
    シャワー新設。手すりの取り付け。
  • 玄関:スロープを設置。
  • トイレ・浴室・洗面の入り口:引き戸に変更し、段差をスロープに変更。
  • 台所:台所についてはへルパーが調理を行う頻度が高いことが予想されたため改修は行わないこととした。
支援チームの構成 ケアマネジャー、PT・OT、工務店
福祉用具
支援前 車いす(補装具として給付)
支援後 レンタル:特殊ベッド(3モーター)
購入:シャワーチェア
改修後の評価
本人:環境整備により自立した生活が送れるようになりほぼ満足している。
ただし、浴槽を撤去し、シャワースペースとしたことについては若干不満が残っている。
(入浴は通所介護施設にて行っている。)
PT:入浴については客観的にはへルパー一人の介助では困難である(リフトなどを導入しない限り)が、本人の納得が十分得られていなかった。
本人が入院中の改修は退院後の生活状況を予測して行わなければならない点が困難である。
時間と環境が許せば退院後で間に合う改修は退院後に問題が顕在化してから行うのもよいのではないか。
残された課題
便器を洗浄機能付きのものに変更しようとしたが、浴室と一室のため感電の恐れがありコンセントを取り付けることができず、変更できなかった。