住宅改修情報

進行性疾患のため、身体機能にあわせて便器位置を変更できるように、また動線を考えて
 寝室の変更をした例

基本情報
年 齢 67歳 同居家族構成 一人暮らし
性 別 女性 主介護者 ヘルパー
疾患名 パーキンソン病 家屋の所有形態 持ち家
障害部位 体幹機能障害、左上肢機能障害 家屋の建築形態 一戸建て
要介護度 要介護2 周辺環境 小都市の農村部
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 自立 排 泄 自立
移 動 屋内:伝い歩き
屋外:車いす
入 浴 見守り
移 乗 自立(時間はかかる) 介護サービスの
利用状況
改修前:ヘルパー(週6回)
改修後:ヘルパー(週6回)
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点
  • 寝室と居室が離れているため、夜間のトイレや浴室までの移動距離が長い。
  • 増築を重ねているため、段差が多く、上がり降りが困難である。
  • トイレのドアの開閉時、体幹が維持しにくい。
家族・本人の要望
  • 手すりがあれば体幹を維持できるため、段差部分に手すりを付けたい。
  • 部屋の中の移動時も、体調不良の時には常に何かに触れていたい。
  • 生活空間をコンパクトにまとめたい。
  • トイレについては、車いす使用時のことも考えて移動しやすいようにしたい。
住宅改修の目的
  • 現段階では、段差の昇降時の危険がないようにする。
  • 将来を考え、現在の段差の多い家で、できる限り長く生活しやすい環境を整えていく。
住宅改修の場所と内容
  • トイレ:出入口をドアより3枚引き戸にし、有効開口幅を大きくする。便器位置を前方に移動し、新設手すりを使用する。床は、洗面スペースとも台所の高さに合わせかさ上げをする。床を洗面所の床と合わせ段差を解消する。
  • 台所:段差部分に手すりを設置する。
  • 居間:室内および段差部分に手すりを設置する。
支援チームの構成 ケアマネジャー、保健婦、ケースワーカー、建築士
福祉用具
支援前 2モーターベッド、シャワーいす
支援後 なし
改修後の評価
物入れの敷居や棚板を手すり代わりに使用することにしたため、室内での移動も楽になった。
トイレについては公共下水への切り替え時期に当っていたため、大きく改修ができ,将来的にも使用可能なものになった。
残された課題
室内で車いすが必要になった場合、建物の構造上すべての段差を解消するには、費用がかかりすぎ,無理だと考えている。
ベッドの配置を変え、現在の居間とダイニングキッチンのみの空間で生活していけるかどうかが課題である。