住宅改修情報

公団住宅で、床を上げてフラットにし、段差解消機で外出を可能にした例

基本情報
年 齢 52歳 同居家族構成
性 別 女性 主介護者
疾患名 変形性関節症 家屋の所有形態 借家(都市住都公団)
障害部位 四肢機能障害、体幹機能障害 家屋の建築形態 集合住宅
要介護度 要介護3 周辺環境 中小都市の住宅地
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 自立 排 泄 自立
移 動 屋内:車いす自走
屋外:車いす介助(自宅近辺は自走)
入 浴 介助
移 乗 自立 介護サービスの
利用状況
改修前:ヘルパー(週5回)
改修後:ヘルパー(週5回)
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点
  • 室内から、道路までは約1メートルの段差があり、ヘルパー2人に抱えてもらわなければ外出ができない。
  • トイレの出入口が狭く、車いすで便器に近づけないため、一人で移乗することができない。
  • 無理に移乗しようとして何回も転倒している。
  • 浴室への出入の際、段差があり非常に危険である。
家族・本人の要望
  • 車いすを使用して自由に外出をしたい。
  • トイレへ車いすで行き、便器への移乗を自立したい。
  • 浴室への出入の際の、介護力軽減をしたい。
  • 浴槽への出入は、改修後方法を検討したい。
住宅改修の目的
  • 外出が自立できるようにする。
  • トイレへの車いす移動を容易にする。
  • 浴室への出入を容易にする。
住宅改修の場所と内容
  • 洗面所、玄関、台所:敷居が撤去できないため、床を敷居の高さまでかさ上げする。
  • トイレ:壁を撤去し,開口部を大きくする。
    洗面所と玄関の境に当初計画では、引き戸を取り付け。
    公団の改修拒否によりアコーデオンカーテンを取り付け。
    温水洗浄器付便器取付け。
  • 浴室:浴室内段差にすのこ設置。
  • バルコニー:床かさ上げ、手すりを改修し、引き戸を取り付け。バルコニー外部に段差解消機を取り付け。
支援チームの構成 ケースワーカー、ヘルパー、建築士
福祉用具
支援前 2モーターベッド、車いす、シャワーいす
支援後 なし
改修後の評価
  • 床の段差解消ができ、トイレの開口が広くなったため、車いすでの移動が容易になった。
    公団の規定によりトイレ部分に引き戸が取り付けられなかったため、アコーデオンカーテンになり、かえって開閉がしにくくなった。また、トイレ使用時、おちつけないという意見がある。
  • 浴室の出入は、すのこだけでは介護力の軽減には、あまりなっていない。
  • 外出用の段差解消機は、機器の操作に力が要るため、自分で操作できない。
    段差解消機を使用する際、サッシ部分に段差があり、自走ではバルコニーに出られない。また、サッシの鍵がかけにくく外部からの使用ができない。
  • 外出時のヘルパーが、二人から一人に変わったが、大規模な工事の割には改修の効果は上がっていない。
残された課題
入浴は、一人介助によるものであるが、スペースがなく、介助者を増やせない。今回、使用にいたらなかったが、リフトを使用しての介護力軽減を検討していく必要がある。
体力の衰えとともに入浴が困難になると予想される。