住宅改修情報

屋内移動、浴室、トイレなどを車いすで利用できるよう全面改修した例

基本情報
年 齢 65歳 同居家族構成
性 別 男性 主介護者
疾患名 パーキンソン病 家屋の所有形態 持ち家
障害部位 四肢機能障害 家屋の建築形態 一戸建て
要介護度 要介護5 周辺環境 都市中心部の住宅
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 全介助 排 泄 全介助
移 動 屋内:車いす介助
屋外:車いす介助
入 浴 全介助
移 乗 全介助 介護サービスの
利用状況
改修前:訪問看護(週1回)
改修後:訪問看護(週2回)
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点
  • 居間、寝室を使用しての介護は、スペースと介護方法に問題がある。
  • 車いすが屋内に入らないため、外出時車いすに乗るまでの介護負担が大きい。
  • シャワー浴のみを行う場合でも移動経路が不十分なため、シャワーキャリーが使用できず介護負担が大きい。
家族・本人の要望
  • 室内移動を車いすにしたい。
  • 屋内から車いすで外出できるように玄関を改修したい。
  • シャワー浴のみでなくゆっくりと入浴をさせたい。
  • トイレへ車いすで行き、便器への移乗を自立したい。
  • 車いすで洗面器を使用できるようにしたい。
住宅改修の目的
  • 床を改修し移動の円滑化と、スペースを確保し,介護力の軽減をはかる。
  • 玄関を改修し、車いすでの移動を容易にする。
  • 浴室全体を改修し、浴槽を利用して介護負担を小さくし、ゆっくりと入浴できるようにする。
  • トイレ全体を改修し、車いす、トイレ用キャリーで便器を使用できるようにする。
  • 車いすで使用できる洗面器を設置するスペースを確保する。
住宅改修の場所と内容
  • 寝室、居間、台所:台所部分の床をかさ上げ。
    居間、寝室部分の床を畳からフローリングに変更。
    居間、寝室間のガラス戸を全面的に開放できるように引込み戸に変更。
    玄関側ガラス戸をリフトが使用しやすいように、高さの高い引き戸に変更。リフト設置。
  • 玄関:玄関引き戸を、親子開き戸に変更。
    土間部分を10センチかさあげをする。
    台所入口部分に踏み台を設置。
  • 浴室:3枚引き戸、リフト設置可能な浴室に全面的に改修する。
    リフト設置。
  • トイレ:3枚引き戸で開口を広くし、トイレキャリーでも使用可能なトイレに全面的に改修する。
  • 洗面所:車いす使用可能な洗面器を設置。
支援チームの構成 訪問看護婦、OT、建築士
福祉用具
支援前 2モーターベッド、車いす、ポータブルトイレ
支援後 リフト、シャワーキャリー、リフト用吊具
改修後の評価
  • 床の段差解消ができ、浴室、トイレまでの動線もゆったりと確保できシャワーキャリー、車いすの移動が容易になった。
  • トイレ入口が広くトイレキャリーでの使用が可能になり、生活にめりはりができた。
  • 浴室も広くでき、リフトを使用することにより介護負担の軽減になった。
  • 入浴回数も改修前週1回から週3回に変わった。
  • 玄関出入口の改修と、リフトを使用することにより寝室と玄関の段差部分での介護負担の軽減ができ、日課の散歩が容易になった。
  • 当初の計画には入浴や排泄面の改修は含まれていなかったが、改修のイメージが本人や家族に伝わっていったところで、浴室やトイレの改修を追加することとなった。
    これは玄関と床の改修を検討した時点で、支援者サイドで浴室やトイレも含めた改修案を考えていたためであるが、工事内容の追加もスムーズに行われ、段差が解消されて、車いすでも移動しやすくなった。
残された課題
車いすのアームレストが外れない為、洗面台に十分に近づけず使用しづらい。
新しい車いすの交換時に洗面台の高さの再調整が必要。