住宅改修情報

手すり一つの効果から要望を拡大し、近所つきあいの中で独居を継続

基本情報
年 齢 71歳 同居家族構成 一人暮らし
性 別 男性 主介護者 ヘルパー
疾患名 脳梗塞、心筋梗塞、心房細動 家屋の所有形態 持ち家
障害部位 左上下肢麻痺 家屋の建築形態 一戸建て
要介護度 要介護2 周辺環境 町中心市街地までは車で15分の山間部、寒冷地、降雪地域、農業地域
日常生活の状況(改修前の状況)
起 居 ほぼ自立だが、床からの立ち上がりはできない。 排 泄 自立。しかし立ち上がりが不便。夜間も数回起きている。
移 動 自立歩行だが、ふらつきあり。杖の利用はまだ考えていない。 入 浴 一部介助
移 乗 ほぼ自立。何かにつかまらなければバランスを崩しやすい。 介護サービスの
利用状況
改修前:ホームヘルプサービス(週2回。主に食事、入浴介助)
改修後:配食サービス(週2回)を加えた。
実際の改修箇所
カメラ 図面のこのマークにマウスをのせると実際の写真が表示されます。
改修前の状況
改修前
改修後の状況
改修後
住宅改修の概略
問題点
  • トイレは和式で狭く、しゃがみ込みも立ち上がりも思うようにできない。
  • 入浴もヘルパーの介助で入っているが、浴槽への出入りも蛇口や窓の縁につかまらないとバランスを崩し危険である。
  • 近くの水田を見回りに行っているが、外に出るために靴を履くにもふらつきがあり、転倒を予防する必要がある。
家族・本人の要望
  • 本人:トイレを使用する際の立ち上がりが辛いため、手すりを取り付けたい。
  • 家族:町から離れた土地に住む長男が冬期間には自宅に引き取り世話をしてきた。
    自宅での越冬に不安はあるが、本人の要望が強いことや、町の支援体制を信じ、冬期でも日常生活ができるだけ自立できたらいい。
住宅改修の目的 できるだけ家屋内での移動をスムーズにし、近所の人たちとのコミュニケーションがとれるようにするためにも、家から外に出やすい環境を整える。
住宅改修の場所と内容
  • 玄関:上がり框の上り下りに身体を支えられるよう、廊下から出入口引き戸まで、誘導のために手すりを取り付ける。(最初の改修工事でトイレの手すりの効果に気づき、後日取り付けを希望)
  • トイレ:便器は現在使用している据え置き式便器で、便器正面に横手すりを取り付ける。
  • 浴室:浴槽脇壁に横手すりを取り付け、浴槽右脇に移乗台を設置。(最初の改修工事でトイレに手すりを取り付けた後、手すりの効果に気づき、後日手すり取り付けを希望)
支援チームの構成 ケアマネジャー、建築士、施工業者、OT
福祉用具
支援前 なし
支援後 購入(介護保険):入浴台(マット固定タイプ)
改修後の評価
  • 本人:玄関に手すりが付いたことで外出する機会が増えた。また、時々自分の所有している山林や田畑を見にでかけている。よかった。
  • 家族:住宅改修をしたことで、ヘルパーの介助を受けながら一人で暮していくことに自信がもてたようで、冬期に長男宅の世話になることを拒んでいる。(良い意味で)しばらくは離れた土地から見守りつづけたい。
残された課題
  • 家屋内から屋外に出る場合、雨および雪の時の外出に対する改修は行っていない。
  • 屋外への出入りの際の転倒防止も考慮した手すりの設置や、身体機能の低下による移動の困難も予想されるため、歩行器や車いすの導入を予測しての改修の検討が必要。