全盲で高齢虚弱という条件の中で、動線を確保することによって日中独居が可能となった
基本情報 | |||
年 齢 | 83歳 | 同居家族構成 | 娘 |
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性 別 | 男性 | 主介護者 | |
疾患名 | 全盲、狭心症、肋間神経痛 | 家屋の所有形態 | 借家 |
障害部位 | 視覚障害、両下肢筋力低下 | 家屋の建築形態 | 1戸建て、築40年程度、木造2階建て |
要介護度 | 要介護5 身体障害者手帳1種2級 |
周辺環境 | 山村地域、住宅地域 |
日常生活の状況(改修前の状況) | |||||||
起 居 | 一部介助 | 排 泄 | 自立 しかし立ち上がりが不便 |
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移 動 | 壁を手探りで触れながら歩く。 慣れない場所、広い空間では全介助 |
入 浴 | 全介助 洗い場から浴槽内への移動は何かにつかまればできる |
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移 乗 | 全介助 | 介護サービスの 利用状況 |
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実際の改修箇所 |
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改修前の状況 |
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改修後の状況 |
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住宅改修の概略 | |
問題点 | 平成11年に狭心症、肋間神経痛を発症し、最近は両下肢の筋力低下が見られる。 また、全盲のためベット周囲の様々なものにつかまり食堂やトイレに移動している。 数ヶ月前に体調を崩した後、寝たきりになってしまっていたが、最近身体状況が安定してきた。 現在はまだどうにかトイレに行けている。 娘が勤めに出ている日中に一人でトイレに行っているようだが不安である。 しかし、借家のため、手すりを取り付けるにも家主の了解を得る必要がある。 |
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家族・本人の要望 | 日中、居間のベッドから一人でトイレに行く際、本人は壁の位置がわからないため不安である。 夜間のトイレも数回行くが、介助が必要で、容易ではない。 また、お風呂が好きな人なので、もう少し入浴回数を増やしてあげたいが、このままでは介助がとてもきつい。 手すりを付けることにより、自分で支えられるようになり、介助しやすくなることを期待している。 |
住宅改修の目的 | 日中一人で安心して移動ができるよう、廊下に手すりを、また入浴介助の負担を少なくするために、浴室に手すりを取り付けるなか、入浴中の転倒予防に移乗台を設置する。 |
住宅改修の場所と内容 |
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支援チームの構成 | ケアマネジャー、OT、建築士、施工業者 |
福祉用具 | |
支援前 | なし |
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支援後 | 電動ベッド(3モーター)、車いす(自走用)、シャワーチェアー(検討中)、滑り止めマット |
改修後の評価 |
ヘルパーの来ない日中に一人にしておくことが不安であったが、トイレまで手すりがついたことで本人、家族ともに安心している。 お風呂では手すりをつかんで自分で浴槽に入る動作を安心して介助できる。 手すりの取り付け位置は、このケースでは下肢麻痺の方より150~200ミリ高いほうが使いよいことも、現地調査の際に、本人の動作から確認できた。 |
残された課題 |
経済的な負担を最小限にと希望されたため、玄関の出入りに踏み台を取り入れたが、今後両下肢の機能が低下した場合、車いすごと外に出られる工夫を考える必要がある。 ただ単に遠出するためばかりではなく、天気の良い日は近所を散歩できるように、安くて確かな段差解消法を考えておく必要がある。 |